掃除の仕方

掃除の仕方

皆さんは自宅をどのように掃除しているのでしょうか?おそらく、掃除機を取り出して、床や畳などのゴミや埃を吸い取り、そして、雑巾などを用いて棚の上や額縁の埃を取り除くという清掃をしていることと思います。それでは、このような清掃法はどこで学んだのでしょうか?どこかの塾や学校に行って、適切な掃除の仕方を勉強したのでしょうか? おそらく、殆どの方々は自宅で母親がおこなっていた掃除を見て学んでいると思います。そして、母親は祖母から学び、祖母は祖祖母から学んでいるのです。すなわち、大正や明治の頃からの清掃法が代々語り継がれているといえます。それでは21世紀の清掃としては不十分です。ここでは、感染を予防するための科学的な掃除の方法を紹介したいと思います。

まず、ドアノブや手すりなどの環境表面に付着している病原体がどのように人々に感染するのかを考えてみましょう。そのような病原体は自分では移動しないし、飛び跳ねることもしません。人々の手指が環境表面に触れることによって、病原体が手指に付着し、そのような手指で目や鼻の粘膜などに触れることによって、感染するのです。すなわち、環境表面に付着している病原体の感染経路は手指なのです。

このような感染経路を考えながら、環境表面をみてみると、興味深いことに気づきます。それは環境表面は「手指の高頻度接触表面」と「手指の低頻度接触表面」に分かれてくるということです。前者はドアノブや電燈のスイッチのようなところで、人々が頻繁に触れるところです。後者は床や天井といった殆ど人の手指が触れることがないところです。

感染予防のための清掃は病原体の伝播経路を遮断することを目的としています。日常の限られた時間枠のなかで掃除をする場合、環境表面の全てを平等に清掃することは適切ではありません。やはり、「手指の高頻度接触表面」を重点的に清掃し、「手指の低頻度接触表面」については手を抜くのです。ドアノブのような「手指の高頻度接触表面」は人々が頻繁に触れるので、埃などの汚れは付着しておらず、見かけは清潔です。しかし、人々の手指に付着している細菌によって相当汚染しているので、外見的に清潔にみえても重点的に清掃することが大切なのです。一方、埃が溜まっているというのは人々の手指が触れていないという証拠といえます。そのような環境表面は感染予防からすると、それほど重要ではありません。もちろん、埃が溜まっていれば清掃しますが、もっと大切なことは「手指の高頻度接触表面」の清掃なのです。そこを重点的に清掃することが科学的な清掃法であるといえます。