頭シラミ

頭シラミ

夏は子どもたちがプールで楽しそうに泳いだり、遊んだりしています。当然のことながら、水に潜ったりもしています。このとき、頭シラミの子どもがプールに入ったらどうなるのでしょうか?プールの水がシラミに汚染されてしまいます。プールには塩素が入っているので大丈夫ではないかと思う人が多いかもしれません。実はプールの水の塩素レベルでは頭シラミは死なないので、頭シラミは水中で数時間生きているのです。頭シラミはプールのみで問題となっている寄生虫ではありません。幼稚園や保育園では園児で頻回にみられる感染症でもあります。ここでは頭シラミについてのお話をしたいと思います。

頭シラミはヒトの頭、眉毛、まつ毛に感染し、「卵→若虫(わかむし)→成虫」というように成長してゆきます。卵は人間の頭皮に近いところよりも低い温度では孵化できないので、かつらから頭シラミが伝播する危険性は極めて少ないといえます。実際、頭シラミの人が48時間以内に装着したかつらでなければ、頭シラミを伝播させることは殆どありません。

卵は毛の幹に強く付着しています。大変小さいので、見つけるのが困難です。卵は8~9日程度で孵化して若虫になり、若虫は孵化してから9~12日で成虫になります。成虫は人間の頭で30日程度生きますが、人間から離れ落ちると1~2日で死にます。成虫は6本の脚を持っており、その脚は人の毛をつかむような構造となっています。脚の先端にある鉤のような爪で頭髪にしっかりしがみついているのです。

頭シラミは飛んだり跳ねたりすることはなく、這うことによって移動します。そのため、頭シラミの人の毛に直接触れることによって伝播します。従って、頭シラミの人の頭と頭の接触が最も多い伝播経路であり、幼稚園の幼児やその家族での感染が多くみられます。一方、頭シラミの人が使用した衣類(帽子やスカーフなど)や身の回り品(櫛、ブラシ、タオルなど)に接触によって伝播することは殆どありません。犬や猫などのペットが頭シラミを拡散させることもありません。

話が戻りますが、プールの水が伝播させることはないので安心してください。頭シラミは水の中では人間の毛に強くつかまっており、毛から離れられないからです。また、頭シラミの人の毛に接触していたタオルを使用することによって感染することも殆どありません。しかし、子どもにはタオル、ブラシなどをプールサイドや更衣室で共有しないように教育する必要はあります。