風疹

風疹

風疹は風疹ウイルスによる感染症です。飛沫感染によって人から人に伝播してゆきます。風疹患者の口や鼻から飛び出す飛沫を吸い込むことによって、呼吸器の粘膜にウイルスが付着し、鼻咽頭やその近くのリンパ節で増殖します。曝露後5〜7日でウイルスが全身に流れるようになります。潜伏期は14日程度です。

成人や年長児では発疹が出現する1〜5日前に前駆症状(微熱、倦怠感、耳後部や後頚部などのリンパ節腫大、鼻汁など)がみられます。小児では前駆症状がみられることは殆どなく、発疹から始まります。発疹は顔面にはじまり、足の方に下降してゆきます。発疹は3日程度続きます。

風疹は症状が軽度のことが多く、50%の感染者が無症状なのです。そのため、風疹に罹患したことがないと思っている人でも感染の既往があることがあります。逆に、風疹の既往があると思っている人でも感染したことがないことも多くみられます。従って、風疹に罹患したことがあるという本人の記憶は殆ど当てになりません。

風疹では関節痛や関節炎が問題となることがあります。成人女性の70%で関節症状(指、手首、膝)がみられます。この症状は1ヶ月続きます。もう一つ、風疹で問題となる合併症に「先天性風疹症候群」があります。これは妊娠中に風疹に罹患すると、ウイルスが胎盤を通過して胎児に感染し、障害を引き起こす状態です。感染した妊娠時期に大きく左右され、妊娠早期で感染すると85%の胎児に障害が発生します。しかし、妊娠20週以降での感染であれば障害は稀となり、妊娠後期であれば危険性はありません。先天性風疹症候群の症状は聾が最も多く、白内障、緑内障、網膜症、小眼症、心臓欠陥、小頭症や精神遅滞などがみられます。

このような合併症を避けるために、妊娠前の女性には是非とも風疹ワクチンを接触してほしいのです。また、配偶者も感染源とならないように接種することが大切です。このワクチンにも副反応がみられることがあるので、それを承知して接種してもらいます。その症状は発熱、リンパ節腫大、関節炎です。関節痛や関節炎は成人に多く、男性よりも女性に多いことが知られています。風疹ワクチンは生ワクチンなので、接種後に体内で増殖します。そのため、白血病、リンパ腫、悪性疾患、免疫不全、免疫抑制治療中の人には接種しないようにします。もちろん、妊婦にも接種しません。接種後4週間は妊娠を避けるようにします。

授乳中に接種することは次の妊娠のために大切なことです。確かに、授乳中に接種すると乳児が感染して軽度の発疹を呈することがありますが、重大な事例は報告されていないので、授乳は接種の禁忌とはなりません。学校保健安全法では、風疹の患者は発疹が消失するまで出席停止とされています。