B型肝炎ウイルス

B型肝炎ウイルス

病院で注射や点滴をするときに使用した針や注射器は毎回使い捨てされています。これらを複数の人に使用すると、注射針や注射器に入り込んだ血液に含まれている病原体に感染する危険性があるからです。しかし、過去には集団予防接種のときに、注射器が連続使用されたことがあり、それによってB型肝炎ウイルスに感染した人が数多くいます。

厚労省は昭和33年から注射針を、昭和63年から注射筒を、予防接種を受ける人ごとに取り替えるよう指導を徹底しています。しかし、それまでの接種によって感染した人々がいることから、「昭和23年から昭和63年までの間に受けた集団予防接種の際に、注射器(注射針または注射筒)が連続使用されたことが原因でB型肝炎ウイルスに感染した人および母子感染した人」に対して給付金が支払われています。ここではB型肝炎ウイルスについて解説します。

既に述べたように、B型肝炎ウイルスは血液を介して伝播します。このウイルスによって汚染した注射器などから感染するのです。しかし、B型肝炎ウイルスはドアノブや机の上などの環境表面にも7日程度生き残っているので、そのような環境表面に触れた手指の小さな傷口や擦り傷から体内に侵入することもあるのです。さらに、性行為によっても感染しますし、母子感染することもあります。潜伏期は30~180日です。

症状は徐々にみられることが多く、食欲不振、全身倦怠感、悪心・嘔吐、右季肋部痛、上腹部膨満感、濃色尿などが見られます。その後、黄疸も認められます。症状はB型肝炎ウイルスに感染した年齢により異なることが知られています。乳幼児で感染すると無症状ですが、ウイルスが持続的に感染している状態となります。そして、数年〜十数年間は、肝炎は発症しませんが、10~30才代に一過性に肝炎となります。そのうち、10~20%の人は慢性肝炎となり、その中から肝硬変、肝臓癌になる人も出てきます。

このようなことから、B型肝炎ワクチンをすべての人々に接種することが推奨されています。この場合、3回接種が必要です。1回接種後4週間程で2回目を接種します。それから、5ヶ月ほど経過したところで3回目を接種するのです。この3回目の接種によってB型肝炎ウイルスに対する抗体が大きく上昇しますので、合計3回の接種をおこなうことがとても大切です。このワクチンは不活化ワクチンなので、妊婦にも安心して接種できます。胎児への副反応の危険性はありません。