白癬症

白癬症

梅雨時になり、気温も上がってくると水虫に悩む方も多いかと思います。これはカビの仲間の皮膚糸状菌による感染症(白癬症)です。皮膚糸状菌には白癬菌、小胞子菌、表皮菌がありますが、白癬症の殆どが白癬菌によるものです。

白癬症は病変が身体のどの部分にあるのかによって、体部白癬(たむし)、足白癬(みずむし)、手白癬、爪白癬、股部白癬(いんきんたむし)、頭部白癬(しらくも)などがあります。足白癬と股部白癬が同時にみられるなど、複数の白癬症が同時にみられることもあります。ここでは、多くの人々に不快感を与えている足白癬と股部白癬について解説します。

足白癬(みずむし)は成人や青年(特に若い男性)にみられることが多く、思春期以前では稀です。ロッカールームやスイミングプールの床を素足で歩くことによって、床に付着している白癬菌が足に付着して感染します。足白癬は足趾の間(特に、第3と第4趾の間)にみられたり、足底の皮が厚くなったりします。小さな水疱がみられることもあります。足白癬が放置されると爪白癬に進展することがあります。爪白癬は白癬菌が爪まで広がったものであり、爪とその下の皮膚の間から白癬菌が侵入することによって感染します。稀に、爪表面の傷口から侵入することもあります。爪白癬は治療が困難な白癬症です。
股部白癬(いんきんたむし)は女性よりも男性に多くみられます。足白癬から感染してくることがあるので、股部白癬があれば足白癬の有無を確認します。股部白癬に罹患しやすい要因には多汗、肥満、糖尿病、免疫不全があります。掻痒感が強く、左右対称性に発症します。

白癬症の治療では抗真菌薬の軟膏やクリームを病変に塗布しますが、爪白癬のように外用薬のみでは不十分な場合には内服薬も使用します。白癬症の治療で大切なことは、1ヶ所の白癬症のみを治療することでは不十分であるということです。他の体部位から再び感染するからです。足白癬を治療しても、爪白癬から再び感染します。股部白癬が治癒したとしても、足白癬や爪白癬から再び感染してくるのです。そのため、複数の白癬症がある場合にはそれらを同時に治療しなくてはなりません。また、同居家族に白癬症の患者がいれば、やはり同時に治療します。風呂場の足ふきマットなどを介して、家族内で感染するからです。

このような抗真菌薬による治療に加えて補助療法も行います。足白癬で足底の皮が厚くなっていれば、角質溶解剤を組み合わせます。乾燥性足パウダーなどにて靴を処理したり、密閉した履物を避けることも大切です。股部白癬では鼠径部に乾燥パウダーを使用したり、ぴったりとした衣類を避けるようにします。白癬菌が付着している可能性のある湯上りマットなどはこまめに洗濯するようにします。