性器クラミジア感染症

性器クラミジア感染症

性器クラミジア感染症は最も多くみられる性感染症です。男性では尿道炎が多くみられ、症状は排尿痛や尿道不快感などです。淋菌性尿道炎に比べて潜伏期間は長く、2~3 週間と言われています。稀に精巣上体炎を合併することがあります。精巣上体炎は副睾丸炎とも呼ばれていますが、症状としては陰嚢部が膨れ、発熱がみられます。ただ、クラミジアによる精巣上体炎は、他の病原体による精巣上体炎に比べて腫れは軽く、発熱の程度も軽いことが知られています。

女性では子宮頸管炎(子宮頸管の粘膜の炎症)がみられ、帯下(おりもの)が多くなります。潜伏期は1~3週間程度です。クラミジアが子宮頸管から子宮・卵管を経て、腹腔内に侵入して、子宮付属器炎(卵巣と卵管の炎症)や骨盤腹膜炎(骨盤内にある膀胱、直腸、子宮、卵管の表面を覆っている腹膜の炎症)を起こします。上腹部に到達すると肝周囲炎(肝臓の皮膜に感染して、疼痛や発熱がみられる炎症)となります。クラミジアに感染したときに症状がみられれば治療をして進行を食い止めることができますが、半数以上の女性では症状がないため、そのまま気づかれずに病状が進行してゆき、子宮外妊娠、不妊症になることがあるのです。実際、妊婦検診において正常妊婦の3~5%にクラミジア保有者がみられるといった報告もあり、無症状の感染者はかなりいると推定されます。そのため、女性にスクリーニングを実施することが有効です。

出産時に母親が性器クラミジア感染症に罹患していると、出産時に新生児に感染し、クラミジア結膜炎やクラミジア肺炎になることがあります。クラミジア結膜炎は生後5~12日で発症しますが、生後30日以内に結膜炎がみられたら、クラミジア結膜炎を疑います。クラミジア肺炎は生後1~3ヶ月で発症が、通常は無熱であり、頻呼吸、喘鳴、咳嗽などがみられます。酸素投与や人工呼吸が必要となることは少ないのですが、低出生体重児では重症化することがあります。

オーラルセックスにより、クラミジアが咽頭に感染することがあります。子宮頸管からクラミジアが検出される場合は、無症状であっても感染者の10~20%で咽頭からもクラミジアが検出されるといわれています。

性器クラミジア感染症の治療法はアジスロマイシンという抗菌薬を単回内服するだけです。ただし、性器クラミジア感染症に罹患した人は治療後に再び感染することがあるので、治療後約3ヶ月で再感染の有無のための再検査をします。性器クラミジア感染症に罹患している場合、淋菌も同時に感染していることがあるので、注意します。