ロタウイルス

ロタウイルス

冬になると、小児科にはロタウイルス胃腸炎に罹患した子どもが多数受診します。ロタウイルスは小児のウイルス性胃腸炎の原因ウイルスの一つです。特に生後6ヶ月~2歳の子どもで多くみられ、重症下痢を頻繁に引き起こします。ただ、ロタウイルスに感染した子どもがすべて重症の下痢になるかというとそうではありません。ロタウイルス胃腸炎の症状は幅広く、無症状でウイルスを便に排出する子どもがいれば、重症脱水や痙攣となる子どももいます。ときによって死亡することもあります。

ロタウイルス胃腸炎は冬季に流行し、11月から4月に多くみられます。潜伏期は約2日です。嘔吐と水様下痢が3~8日続きます。発熱や腹痛もよくみられます。便が白色になることがあることから、「白痢」などと呼ばれたことがありました。幼児や学童で多くみられますが、殆どが2歳未満です。成人も感染することがありますが、この場合は感染した子どもの家族にみられることが多いです。成人での症状は小児に似ていて、頻回の下痢がみられますが、軽症です。稀に、脱水になるような厳しい下痢がみられることもあります。ロタウイルス胃腸炎に罹患しても、再び、ロタウイルスに感染することがあります。しかし、2回目以降は初回感染より症状が軽度です。治療は脱水状態を防ぐための水分補給と食事療法です。しかし、嘔吐のために水を飲めないことがあり、そのような場合は点滴をします。

ロタウイルスは便に排出されるので、子どものオムツを交換したりしたときに、保護者の手指に付着し、その手指がテーブルや手すりに触れることによって、ウイルスが環境表面に付着します。ロタウイルスは環境において安定しているので、しばらくそのまま生きていますが、そこに別の家族の手指が触れることによって、その手指にロタウイルスが付着し、そのような手指で食事したりすることによって感染するのです。そのため、オムツ交換などのあとの手洗いや食事の前の手洗いが大切なのです。また、手すりやドアノブのような手指が頻繁に触れるようなところの清掃も必要です。

ロタウイルスは下痢がみられるようになると便として排出されます。下痢になる少し前から検出されることがあります。下痢が始まってから、2週間以上も便にウイルスがみられることもあります。重症の下痢では25~30日も便中にウイルスが排出されることもあるのです。無症状であるにも拘わらず、ウイルスを排出することがあるので、子どものオムツ交換のあとには下痢の有無に関係なく、手洗いすることが大切です。